藤太百足退治勇(トウタムカデタイジノイサオシ
)
中村 信喬
平安中期の武将・藤原秀郷こと俵藤太といえば百足退治で有名です。舞台は近江国の瀬田川にかかる瀬田の唐橋。三上山を七回り半もする大百足が毎晩ここに現れ、人々を困らせていたのを武勇の誉れ高い俵藤太が龍神一族に頼まれ、弓で退治したという伝説です。
鞍馬山(クラマヤマ
)
白水秀章
京都北部鞍馬山といえば幼き日の牛若丸に天狗たちが剣術を教えたとの言い伝えで有名です。父を亡くし、母とも別れた牛若丸は鞍馬寺の禅林坊の弟子となり名 を遮那王と改め、源氏復興の志を抱きます。そのため昼は学問、夜は僧正ヶ谷で剣の修行に励みます。相手は大天狗や鳥天狗たち。ここで牛若丸はのちに弁慶も 翻弄する武芸を身につけました。