7月1日。博多の街は一気に山笠一色になります。 街の要所要所に飾り山が設置され、道行く人々がその豪華絢爛な出来栄えに感嘆の声をもらします。 この飾り山とともに、街中を疾走する舁き山が人々の興奮を掻き立てます。 約760年の歴史を持つと言われる壮大なドラマ。 博多祇園山笠はまさに、博多人の心に烙印のごとく刻み込まれて今日まで脈々と受け継がれてきました。
この二つの山笠、飾り山と舁き山の制作にあたるのが博多人形師です。 本来、博多人形は土による素焼人形として知られていますが、山笠の飾り人形は木、竹、和紙、布などを材料とする細工人形。
永享9年(1437)、京都から招かれた細工物師小堀家によって伝えられたとされ、博多人形における第二の系列として人形師の重要な仕事の分野となっています。
博多人形ができるまで
博多人形ができあがるまでには、伝統的技法によるいくつもの工程を必要とします。
- 1.[ 原型 ]
粘土をロクロの上に立て、人形の姿を彫るように仕上げていきます。
- 2.[ 型取り ]
- 石膏で型を取ります。複雑な作品ほどたくさんの型を作ります。
- 3.[ 牛地づくり ]
- 原型から取った方に粘土を貼り、乾燥させて組み立てます。
- 4.[ 彩色 ]
- 肌の部分の下地づくりをしてから顔料で彩色作業をします。
- 5.[ 面相 ]
- 顔の部分をかきこんでいきます。「口紅入れ」「目入れ」「まゆ毛かき」など行い、人形の命を吹き込みます。
- 6.[ 完成 ]
- 約20〜60日の工程をへて、完成です。