仁風導和氣(じんぷう わきをみちびく
)
今井洋之
場所は鎌倉、鶴岡八幡宮、皇位へつこうと目論む悪党の清原武衡(きよはらのたけひら)とその家来たちが「大福帳」を奉納しに来た加茂次郎義綱ら多人数の善 良なる男女を自らに敵対する者として色々と難癖をつけ捕え、今まさにその首を切ろうとしている。その瞬間花道より鎌倉権五郎景政が「暫くー」の一声でさっ そうと登場し、荒れ狂い武衡に従う家来たちの首を大太刀で跳ね飛ばす。悔しがる武衡を尻目に善人達を助け悠々と花道を引き揚げていく勧善懲悪の物語である。
総務
柳原貢
政治不信や情勢不安な昨今、日々殺伐とした事件が起きております。今年の標題は「思いやる心があれば和気あいあいとした世の中になる」という気持ちを込めております。そのような人々の心に潜む悪を討ち果たせるよう、市川團十郎の十八番である「暫」でおなじみ鎌倉権五郎景政が悪をこらしめる時に大見得を切る 場面で勧善懲悪を表現しました。祭は地域の心を一つにするものです。みなで心を一つにし、立派に奉納したいと考えております。