鉄槌舞春風(てっついしゅんぷうにまう
)
亀田均
平安朝時代、豊後の国守に百合若という若い武将がおりました。鉄の弓矢で勇ましく戦う強くて逞しい男で、妻の春日姫とともに領民に慕われていました。ある時、百合若は朝廷より新羅討伐の命を受けます。戦いには勝利するものの、帰路別府兄弟の裏切りにあい、孤島に置き去りにされてしまいます。夫の死が信じられなかった春日姫は、百合若が可愛がっていた鷹の緑丸を空に放ち、互いに無事であることを確認しあいます。二年の歳月が過ぎた頃、幸運にも漁師に助け出された百合若はついに国元に戻ります。新春の祭事である流鏑馬に出る機会を与えられた百合若は「皆のもの、われに気づくものはおらぬか、われこそまことの主、百合若ぞ」と名乗りをあげます。これを聞いた別府兄弟は逃げようとしますが、鉄の弓と矢で鉄槌を下されてしまいます。
総務
波多江隆太郎
恵比須流は、美しい山です。福岡に縁がある勇ましい武人・百合若がモデルで、標題通り「鉄槌」で不況が砕け散るように願い、一丸となり、無事奉納したいと思っています。