福之神招来(フクノカミショウライ)
中村 信喬
大蔵流狂言の一つ『福の神』。毎年福の神の社に参拝している二人の男が今年も参拝し豆まきを始めると、どこからとも無く福の神が現われ酒を所望する。
酒を奉げると、福の神は喜び、二人を豊かにしてやると言い、歌って踊り始める。
『富貴になる心得として、朝早起きをして慈悲の心を持つこと、人の嫌がる事をしないで腹を立てないこと、夫婦仲良くすること、神に神酒を奉納すること』と念を押して朗かに帰っていくという狂言である。
福の神が福を授けて廻る姿によって、博多祇園山笠に参加する人々や奉納行事を見に来た人々に、災難・病気・争い事が無きよう願うものである。
総務:山崎 稿一郎